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今月は職業奉仕月間と米山月間であります。職業奉仕については公式訪問の卓話で強調してお話を申し上げているので、今回は米山奨学事業について考え1953年、東京ロータリークラブが米山梅吉氏のロータリー活動に対する功績を記念し、「米山基金」として募金を始めたことに端を発しています。1957年に国内全クラブの合同事業となり、1967年に財団法人ロータリー米山記念奨学会年間の奨学金支給額が約16億円で、これまで101ヶ国12,200人以上の奨学生を支援し、民間では最大の留学生奨学団体となっています。その目的は、国際理解に努め世界平和の創造と維持に貢献することにあります。この事業の特長は、経済的支援だけでなく、世話クラブとカウンセラー制度によるロータリーならではの心の通った支援にあります。これまで、ロータリアンはもとより、個人や法人からも支持されて順調に活動してきました。奨学生を終えた米山学友の人達も増えて、米山奨学会学友会も日本に22団体、韓国・台湾に各1団体が組織され活動をしています。また、学友がロータリアンとなって活躍している喜ばしい例も見られます。しかし、長びく不況によるロータリー会員減少からか、寄付金が減ってきています。そのため希望者の多いなか、2005年度から奨学金の減額と採用数の20%減を余儀なくされました。国際親善の楔となるこの事業に対する御理解となお一層の御支援をお願いを申し上げます。
今後の課題として考えなければならないのは、地域別・出身国別留学生数であります。アジア地域からの留学生の比率が93%、その中でも、中国・韓国・台湾出身者が83%を占めていますが、近年中国からの留学生が大幅に増加して、全体の約半数に達しています。それだけ優秀な学生が多いことには違いはないと思いますが、この事業の主旨から考えると、感情論は抜きにして国籍のバランスと優秀な留学生の採用方針の折り合いをどうつけてゆくのかと言う問題が残ります。ロータリアンの叡智が必要な時だと思います。
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