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ガバナーメッセージ  <第1回>

夢をかたちにしてみませんか?

 2008-09年度地区ガバナーを仰せ付かりました矢橋です。ロータリアン諸兄とロータリーを楽しんでいきた いと思います。よろしくお願い申し上げます。…と、ここでは「ロータリアン諸兄」と言ってみました。辞書で は諸兄を「男性が、同性の友人たち・同輩あるいは近しい先輩などに対して、敬愛の気持ちをこめていう語」と あります。女性ロータリアンも増えているなかで同性を限定しているような表現ですが、ご容赦をお願いしま す。諸兄にこだわるのは、「ロータリーの友」におけるRI会長メッセージが「DEAR FELLOW ROTARIANS,」 で始まるからです。日本語版では「親愛なる同僚ロータリアンの皆さん」と表記されます。「同僚」という単語か らは、職場の仲間が想起されます。「同僚の皆さん」という呼びかけは、日常あまり聞かない表現だなぁ、と友 誌の横組みをめくるたびに思います。違和感は、かえって印象に残ります。「同僚ロータリアン」。この部分を 抜き出して改めて眺めてみても、非日常的な言葉です。その非日常性に、「同僚」意識を高める効用があります。 「同僚」意識の喚起がロータリーの職業奉仕につながる、とのメッセージが込められているのでは、と推測してい ます。

 RI会長メッセージ、手続要覧などロータリーに関する文言は、英語で発信されます。的確な和訳に、関係者が 腐心されています。RIテーマも和訳が必要です。今年度RI会長の李東建さんが掲げるテーマ「夢をかたちに」は、 「Make Dreams Real」の和訳。直訳すると「夢を現実に」でしょうか。私は英語が不得手ですが、中学生が習 う英単語・英文法を駆使するとそんな感じかと思われます。これが高校生の受験英語になると、意訳が求めら れます。李東建さんは「Make Dreams Real」から何を伝えたいのか。夢の現実化とはどういう状態を指すのか。 ロータリー用語を和訳する方々は語学堪能ですので、高度な語彙を組み合わせます。その結果生まれたのが 「夢をかたちに」。英文和訳は、長文を訳すよりも簡素な3つの単語を訳す方が難しいことでしょう。現実をか たちに替えるだけで雰囲気が和らぎます。

 夢は、睡眠中に見るだけでは、目覚めて間もなく忘れてしまいます。はかない夢、なんて表現もあります。 夢は、寝ている最中に見るだけのものでもありません。希望や願望も夢の類です。夢みたいなことを言って、 と若かりし頃たしなめられた経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか。事業で成功を収めたロータリア ンは、数多くいらっしゃいます。夢みたいな、と言われた仕事を実践した成果なら、それこそ「夢をかたちに」 した素晴らしい事例です。睡眠中に見る夢にもいろいろあります。もう一度見たい楽しい夢もあれば、怖い夢 にうなされたりすることがあります。「夢をかたちに」といっても、なんでもかんでも現実にすればいいもので もなくありません。怖い夢は朝起きて、顔を洗っているあいだに忘れてしまいたいものです。一方で楽しい夢 は、現実になれば嬉しいものであります。あれは正夢だったのか!とうかれるようなことがあります。うなさ れるよりもうかれる方がいいのです。つまり、かたちにすべきは実現すると喜ばれる夢であります。その夢は、 もちろん悪夢ではありません。正夢になって嬉しい夢。「夢をかたちに」は、ひとことでいえば「正夢」。3つの 英単語を2つの漢字に訳すのもそっけないからと、あえて「夢をかたちに」にしたのだと勝手に解釈しています。

 「夢をかたちに」のロゴマークは、白地に青と赤が絡み合 っています。韓国出身のRI会長にちなんで太極旗をモチー フにしたようにも窺えます。デザインは、母親が子どもをあ やしている様子に映ります。ほほえましい光景が、ロゴマー クからにじみます。他方、悲しい想像を働かせると、病気 の子どもを介抱する母親にも見えてしまいます。最悪の場 合、病死した子どもを抱き上げ、現実を直視できず悲しみに 暮れる母親、にも。李東建さんは、子供の死亡率が高止まりなのを非常に
心配しています。要因は、衛生的な問題であり、食糧的な問題であり、それらに連なる経済的な問題、事故、戦争、そして災害などがあります。最近でも ミャンマーのサイクロン、中国・四川省の大地震で多くの命が失われました。中国では学校が倒壊し、たくさん の児童が亡くなりました。我が子を掘り出し、抱え、泣き叫ぶ母親が、テレビに映し出されました。その姿は、 まさにこのロゴマークでした。私が生まれる11年前、1923年に関東大震災が発生しました。この大正の大災害 時、世界中のロータリアンから日本に義捐金が寄せられました。昭和を経て平成になった今でも、地震は無く なりません。とはいえ85年前の地震が、ロータリー・クラブは何ができるかを日本に示唆してくれたのも確か です。「夢をかたちに」といっても、悪夢はかたちにしてはいけない。母親がロゴマークで抱く子どもは元気で、 夢や希望を抱えていなくてはいけないのであります。

 元気な子どもたちが「僕ね」「私ね」と我先に夢を聞いて欲しいとせがむ世の中。
 そんな子どもたちの夢を語る姿を好々爺然として目を細めて聞ける世の中。
 そんな世の中が正夢になりますよう。




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