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ガバナーメッセージ <第8回>
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人類はただ一つ
1905年に僅か4人で創立されたロータリーは103年の間に200を超える国と地域に32,774クラブ、会員数
1,210,047人を抱える組織になりました。
ロータリーが発足した当初は、奉仕の概念は芽生えておらず、定会員制度の社交クラブとしての目的は、
会員相互の親睦を深めることでした。殺伐とした都会の中で安らぎを求め友情を育むために、[一人一業
種]と[定例の会合]によってお互いに親睦を深めていた社交クラブの中に、やがて会員の事業にお互い
が利便を図り合う[相互扶助]の考え方が発生してきます。
1906年1月、ポール・ハリス、マックス・ウルフ、チャールズ・ニュートンの起草によって制定された、
シカゴ・クラブの最初の定款には、[親睦の充実]と共に[職業上の利益の向上]がうたわれています。
ロータリー運動は、将に、エゴイズムの中から出発したともいえます。ではありますが、その後の100年の
間に我々のロータリーは自己から地域社会そして国際社会へと組織の目的と活動の場を広げて行くことと
なりました。
私たちの周りの国々には私たちが想像をすることが出来ない環境下で生活を営んでいる方々が数え切れ
ない程います。紛争や貧困そして宗教による対立など原因は様々でしょうが、そこに存在するのは全て人
間です。ただ一つの私たちの仲間である人間なのです。ロータリーは膨大な資金と時間をかけてポリオ撲
滅のための活動をしてきました。後、三地域を残すところまで成果をあげてきましたが、多くの問題に幾
度も妨げられたことも事実です。ワクチンの接種を受けるのも人間です。接種をしようと活動しているの
も人間です。そして、これらを阻止したのも人間です。しかし、同じ人間なのですから互いを理解し合え
ば受け入れることも出来ます。ねばり強い説得でワクチン投与のため一時停戦に応じた地域もあったと聞
きました。
2月はロータリーの暦の上で「世界理解月間」として指定されています。
この月には1905年2月23日に開催された第一回ロータリー例会の創立記念日で、現在は「世界理解と平
和の日」と呼ばれています。この機会に私たちのただ一つの仲間である人間を理解し合い、ニーズを分か
ちあいたいものです。第2510地区でも国際社会への奉仕活動と理解を深める活動をしているクラブが沢山
あります。国際地域のニーズに合わせて井戸の建設、浄水器の設置や鉄砲水による慢性的な洪水での死亡
例の多い地域にはダムの建設がされています。このダムについてのニーズはタイ国王の発想だそうですが
大規模なものではなく、一つの沢に深さ50cmm、幅2mの小さなものを多数作ることで斜面に雨水を吸
収させて洪水を防ぐというものです。これにより被害が激減しているとのことですので、私も今年度4月
にはWCSの検証ツアーに参加して自分の目で確かめたいと思います。どうぞ皆さんもこの機会にどんな小
さなことでもかまいませんから、国際問題の討論や計画をしてみようではありませんか。
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