Top page

ガバナー酒井正人
ガバナーメッセージ
地区目標
ガバナー月信
地区組織一覧
ガバナー公式訪問日程
ガバナープロフィール
Home
 
ガバナーメッセージ  <第3回>

輪で和の心を

 新年度に入ってから公式訪問が続いています。7月26日岩見沢ロータリークラブへの訪問を控えて、岩見沢市に前泊をすることになりました。札幌からはJRで1時間足らずの地の利ですが、私には初めての訪問でした。午後の数時間を市内見物に充て、絵画会館や公園を散策の後、窯に併設された陶器店に立ち寄り、訪岩の記念にと千円ほどの杯を買い求めました。宿泊予定のホテルへの帰路、少々距離があるので、流しのタクシーを捜しながら歩いていると、私とは反対車線に1台の軽四が止まって運転席の窓から40才前後の女性が声をかけてきました。「どちらまで行くのですか、お送りしましょうか」よく見ると先ほどの店の店員さんです。同方向の帰り道とのこともあり好意に甘え送っていただき、初めて訪れた町に対して好意を感じました。翌朝、会長幹事さんとの懇談会の席で昨夕の出来事を話したところ、その店のオーナーは現在ロータリークラブのメンバーでは無いが最近まで2代にわたる岩見沢クラブの会員であったとのことでした。その店員さんには私が暑いので、上着を手に持っていたため、ガバナーであるとは勿論のことロータリーバッチさえ付けていることは判らなかったはずです。昨今は大手企業の職業倫理が問われるニュースが頻繁にマスコミを騒がせております。そんな中、店員さんの勤務時間外の対応に本来のロータリーの真髄である職業奉仕を見たようで、ほっとしたと同時に感動を受けました。店員さんの行為は誰にでも出来る簡単なことと見えるかもしれません。しかし、私はそうとは思えないのです。私は若いときのことですが、電車で席に座っておりました。その前にお腹の大きな女性がつり革につかまり立ったとき、席を譲ろうか、何と声をかけようか、………譲らなくてはと頭では考え、心に思うのですが行動に移せなく、タイミングを失ったことがあります。今回の場合、僅か千円ほどの買い物をした、ほんの一言、二言、言葉を交わした程度の、けしてお得意様とは言えない、どこの誰ともわからぬ客です。しかも、道路の反対車線からの声がけです。小さな声では私には伝わらなかったと思います。心に思ったことを実行に移すことの難しさを私は実感しているつもりです。私は再び訪岩する機会があれば、その店のオーナーに会って話をしたいと思っております。
 20名ほどの会員数のクラブに訪問した際に、入会歴5年の会員から「自分の考えていたロータリーのイメージとは違い少し失望をしている」さらに「会員数が少ないので資金もなく、奉仕活動ができない」と聞かされました。たしかにクラブに資金がたくさんあれば有益な大きな事業を行うことは容易であると思います。しかし、ここでもう一度ロータリーの奉仕、つまり、他との違いを見てほしいと思います。
 私達のロータリーは寄付団体ではありません。奉仕を志し、奉仕を学ぶ人々の集まった組織です。クラブが組織として奉仕をするのは奉仕の実践を学ぶためであり、お世話になっている社会に恩返しをしているのです。本来のロータリーの奉仕は会員個人であり、職業倫理の向上です。「あなたが、クラブが、何を、誰と、どのように奉仕を分かちあえるか」考えてみてください。



PAGE TOP | Home