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ガバナーメッセージ <第2回>
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人は石垣、人は城
私の趣味はアマチュア無線です。中学生の頃から続けています。ロータリーにも親睦活動として世界規模の
Rotarians Of Amateur Radio(ROAR)があり毎朝、無線で例会を行っております。そのメンバーのお一人で
ある中津中央ロータリークラブの会員から、多分激励の意図でしょう、私の地区ガバナー就任早々、一枚の
DVDとバナーが送られてきました。中津ロータリークラブ輩出の向笠廣次元国際ロータリー会長(1982−83、
日本人二人目のRI会長)の肖像をデザインしたバナーと平成3年8月22日中津平成ロータリークラブでの卓話
の動画でした。
その卓話の最初の部分を紹介します。「どういうきっかけでロータリアンになったかというと、1956年のこ
とです。私の友達に眼科の医者をやっているロータリアンがいまして、私に入会を勧めてくれました。当時私
は非常に忙しい状態で、毎週決まった時間に決まった場所にいくということは、とうてい出来ないと断りまし
た。そのまま入らないでいれば、こんな楽しいロータリーという世界があるのを一生知らずに終わったと思い
ます。いまの会長のコスター氏は、私と同期の理事であります。仲の良い友達の一人ですが、その彼は“自分
はどんなにお金を出しても買うことのできない大きなコレクションを持っている”とよく言います。コレクショ
ンとは、世界中にいる親しい友人達のことを指しているのです。私のような医者は、どうしても限られた人間
との付き合いしかできないで終わるのですが、幸いなことに、その眼科の医者は、私に断られても何度も“ロー
タリーはこんなよいことがあるのだ”と言って勧めてくれました。とうとう私は根負けしてしまい、ロータリー
に入ることになりました。彼のお陰でロータリアンになって、コスター会長と同じように世界中に多くの親し
いコレクションを持って、楽しいロータリー生活を送っております。私が最も感謝しているのは、その男があ
きらめずにロータリーの入会を勧めてくれたことであり、感謝の気持ちを失うことは決してないと思っており
ます。」中略「もし、ロータリアンになってもらいたいという素晴らしい人がいたら、決して一度や二度断ら
れたぐらいであきらめず、必死になって説得することが必要じゃないかと思います」
2007年−08年度の国際ロータリー会長ウィルキンソン氏はテーマに「ロータリーは分かちあいの心」を掲げ
ました。そして、その一つに「ロータリーを分かちあう」ようにと言われております。つまり次の世代を担う
ロータリアンとロータリーの楽しさを分かちあうことです。ロータリーの歴史は100年を超えました。クラブ
の平均年齢は毎年上がっております。ロータリーが200年を迎えるためには後継者をつくり、ロータリーの
DNAを引き継がなければなりません。これを裏付けるように2007年度の規定審議会において制定案07−57「ロー
タリー財団学友が正会員となることを認める件」が可決されました。ロータリー
のDNAを持った会員の受け入れ準備が整いつつあるのです。私達の周りには多く
のロータリー家族がおります。ロータリアンに相応しい方がたくさんおります。
向笠廣次氏をロータリーへ入会をさせた情熱を私達も未来に向けて持たなければ
ならないのではないでしょうか。
私は今、つい先日放映されたNHK大河ドラマ風林火山での武田晴信の言葉を思
い出しています。「生涯甲斐には城は造らない、人は堀、人は石垣、人は城」・・・
この素晴らしいロータリーを分かちあいましょう。
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