受入マニュアル

−GSEチーム受け入れに関するマニュアル−

R I 2510地区GSE委員会
1996年8月 作 成
1999年4月 改訂1
2002年1月 改訂2
2002年7月 改訂3
2005年6月 改訂4

1. 目的

1-1 GSEの目的と目標

ロータリー財団の研究グループ交換プログラム(GSE)は、2002-03年度から一方の地区が最初の年にチームを派遣し、相手の地区が2年目にチームを派遣するように改正されました。今迄単年度に受入、派遣を実施していたのが2年度に跨がり一つのプログラムが実施されます。GSEプログラムは事業と専門職務経験の浅い若い人々に、文化と職業の交流の場を提供します。このプログラムの目的は地域社会のニーズと国際化の進む職場のニーズに対処できるよう専門職務の技量と指導力を磨くことです。研究グループ交換参加者は海外に派遣され、各種活動に参加しますが次の活動が含まれています。
  1. 職業活動
    チーム・メンバーが研究、討論、職業訪問等の体系的プログラムに参加することによって一生の職業について啓発され、それぞれの分野におけるアイディアの相互交換をしながら他国での職業の実践を見守ります。
  2. 文化経験
    組織的な意義のあるホスト計画(ホストロータリークラブ、ホストファミリー)を体験することを通じて、他国、他国民、施設等を研究できるようにし、世界各地の多様な文化への国際理解を推進します。
  3. 親睦の機会
    チーム・メンバーとホストが親睦と善意の精神で相会し、語り合い、生活を共にして、互いの問題、抱負、地域の関心事を思いやり永続的な友情と理解を培うことを奨励します。
  4. ロータリアンの参加
    専門職務に従事し、人生の形成期にある若い人々に他国と異文化の中で、その職業についてロータリアンは経験豊かな展望を提供します。同時に、ロータリアンにも国際奉仕の具体的、実践的な意義ある活動の機会を提供します。さらに、研究グループ交換チームを派遣、受け入れ、その教育を共に経験する機会をロータリアンに提供します。このようなことがロータリーの世界的使命を高めることになります。
1-2 このマニュアルの目的

GSEの目的を効果的に達成するためには、地区GSE委員会及び委員会メンバー と受け入れの中心となる各ロータリークラブとGSEチームとが共通の認識とルールを確認しながらお互いに役割を分担し合うことが望ましい。このような観点から、GSEの受け入れのためにマニュアルを作成した。このマニュアルでは次の項目に区分してまとめている。
  1. GSEの受け入れスケジュールに関する事項
  2. GSEの世話クラブに関する事項
  3. GSEのホストファミリーに関する事項
  4. 受け入れに関わる費用の負担に関する事項

2. スケジュールに関する事項

2-1 GSEチームメンバーの構成

GSEチームメンバーは次のように5〜7名で構成される。
    チームリーダー:ロータリアン 1名
    チームメンバー:事業、専門職に携わる一般男女 4〜6名
2-2 受け入れの期間

GSEチームの受け入れ期間は4週間以上6週間以内と決められており、受け入れ地区ではあらかじめ派遣地区との合意に基づいて期間を取り決めることになる。(当地区では5週間が慣例となっている)
2510地区では、原則的には下記のように受け入れ期間を取り決めている場合が多い。
  1. 2510地区の地区大会に受け入れチームが参加できる機会を持つ。
  2. 天候が不順な冬期間を避ける。
2-3 受け入れ期間中の研修

GSEチームのメンバーは当地区で注意深く計画した旅程に従って、当地区の専門職、商業、産業等の状況、司法システム、教育制度、保険制度、福祉、宗教、文化を研修、見学及び体験することになる。
〈職業研修の時間と自由時間〉
GSEチームは研修として、以下のような所を訪問することが必要とされている。
  • 歴史的、地理的に興味深い場所や建物
  • 官庁、正当事務所、法廷、法律執行機関、刑務所
  • 小学校、中学校、高等学校、大学、専門学校
  • 病院、診療所、老人ホーム、身体障害者のためのホーム
  • 工場、銀行などの事業の場所、農場、牧場あるいは科学的研究用実験施設等
  • 寺院、教会、その他の礼拝の場所
  • 歌劇場やコンサートホール、美術館、図書館
  • 海岸、行楽地、スポーツ競技場等
    ※日曜日は完全な休日とし、チームメンバーに自由時間を与える。
    (メンバーは自国への手紙を書いたり、GSEレポートを書きとめたり、教会へ日曜礼拝に出かけたり地域を自由に散策する時間が必要です。)
2-4 受け入れ期間中の医療及び保険について
  1. チームリーダーとチームメンバーは健康診断を行い、海外へ旅行することに心身ともに堪えうることを証明されている。
  2. チームリーダーとチームメンバーには旅行国で有効な所定の保険に加入することが義務づけられている。このことにより、万が一チームメンバーが事故でケガをした場合でも受け入れ地区での責任は生じない。
2-5 研修プログラムの作成について
  1. チームメンバーの個別的な職業研修は1週間に最低1日は行うこととし、延べ5日間を確保する。この職業研修のプログラムは世話クラブ間の重複を避けるために、各世話クラブで作成したプログラムを地区委員会は世話クラブ地域の特色を損なわない様に調整を行う。
  2. 研修スケジュールが過密にならないように配慮して研修計画を立案する。
  3. 日曜日はフリータイムとして、研修を行わない。
  4. 地区委員会はできる限り受け入れメンバーの研修希望先を聞いて、その情報を世話クラブに知らせると共に、世話クラブ及び関連クラブが可能な限り希望に応えるような研修先を手配することが望ましい。
  5. 世話クラブの受け入れ責任者(コーディネーター)を決め具体的な研修プログラムと旅程表の原案を作成し、担当地区委員と協議しながら研修プログラムを決定する。
  6. 研修プログラムの実施にあたって注意することは、、世話クラブでの一方的な研修変更は混乱を招き、好ましくない結果をもたらす可能性があるので、研修先を世話クラブの受け入れ責任者(コーディネーター)と担当地区委員は相互に連絡し確認しあう。
  7. 都市間の移動に関する時間、時刻については次の世話クラブへのバトンタッチがスムースにいくための重要な事項となる。世話クラブの都合を考慮しながら地区委員会がその具体案を作成する。決定された計画の変更は極力避けなければならない。
2-6 地区委員の役割

GSEチームの受入れに関する過半の奉仕活動は世話クラブに負うところが多い。
GSE地区委員会及び地区委員の役割は、その受け入れ活動が効率的、友好的に実施されるように企画立案して、世話クラブとコミュニケーションを図りながら実施を手助けする。
  1. GSEチームを受け入れるに当たって、地区委員会では最初の週に受け入れに関するオリエンテーションを行い、チームの活動が効果的に行われるように助言する。(受け入れ期間中の旅程、ホストロータリークラブ、ホストファミリーの資料配付と説明。)
  2. 各グループの受け入れ担当地区委員は、世話クラブの受け入れ責任者(コーディネーター)と協力して研修スケジュールを計画する。
  3. 世話クラブへのGSEチームの紹介と引き継ぎを行う。
  4. 主な職業研修先の手配、打ち合せを世話クラブの受け入れ責任者(コーディネーター)と協力して行なう。
  5. GSEチームの世話クラブ例会訪問に同行する。
  6. 地区主催の行事を計画し、実行する。
  7. GSEチームの出迎え、見送り(新千歳空港)をする。
  8. GSEチームの疑問や希望を聞き、次のグループの研修に反映させる。
  9. 世話クラブ、ホストファミリーの困ったことについては相談に乗り、一緒に考えて楽しいGSE受け入れになるようにする。
2-7 コーディネーターの役割について

地区GSE委員会は従来札幌以外の地区からも委員を選出しておりました。しかし札幌以外の地区委員の場合、定期的に毎月1回開かれる委員会の出席は極めて困難でありました。受け入れが近づくにつれて委員会の開催回数も多くなり、これらの委員の方に多大の負担をかけてまいりました。
これらの事情を勘案して1999〜2000年度から世話クラブの受け入れ責任者をコーディネーターと呼称して、受け入れ世話クラブの会長に指名していただいております。
コーディネーターの役割は下記の通りです。
  1. グループ担当地区委員、世話クラブと協力しながら受け入れプログラムを地域事情に応じて計画し、決定する。
  2. グループ内の世話クラブ及び関連ロータリークラブと協議して、受け入れ時のホストファミリーを決定する。
  3. グループ内のロータリークラブと協議して、受け入れGSEメンバーがグループ内で例会を訪問するロータリークラブを選定し、その日程を調整する。
  4. グループ内において行なう職業研修の場所とその日程について、世話クラブと関連ロータリークラブの事情を勘案のうえ決定する。
  5. 受け入れプログラムにおいて、他のグループのプログラムとの重複を避けるため、地区委員会の調整の窓口になる。
  6. 受け入れ期間中は担当地区委員と協力してその実施にあたる。すなわち地区委員会からの情報その他はコーディネーターを介して流されるので、地区委員会とのコミュニケーションを確保する。
  7. GSE行事報告書の作成に協力する。グループ内の研修、旅程毎の写真等を整理して、グループの受け入れ報告書を作成し、地区GSE委員会へ提出する。

3. 世話クラブに関する事項

3-1 世話クラブの決定

研究グループ交換プログラムをロータリー財団に申請するには、地区内のロータリークラブの3分の2以上の承認が必要です。当地区の場合は地区大会などで決議している。
地区GSE委員長は受け入れ年度のガバナー補佐と相談して、受け入れグループ内ロータリークラブから世話クラブを決定し、協力を依頼する。世話クラブは関連ロータリークラブの協力を得て受け入れを計画する。世話クラブは地区財団セミナー及び地区協議会で公表すると共に、事前に受け入れ会議を準備する。

世話クラブ
GSEチームメンバーを受け入れるに当たって、そのグループ内での受け入れに関する諸事項を関連ロータリークラブ及び地区GSE委員会と共に責任をもって、実行するロータリークラブをいう。

関連ロータリークラブ
GSEチームメンバーを受け入れるに当たって、世話クラブが所属するグループ内のクラブで、世話クラブから依頼された諸事項を実行するロータリークラブをいう。

3-2 世話クラブの役割

GSEチームを受け入れるに当たって、そのホスト役の大半は世話クラブに委ねられる。世話クラブの受け入れ責任者(コーディネーター)と受け入れに関する関連ロータリークラブからの担当ロータリアン(数名)は地区委員会にその氏名を連絡し、担当地区委員と受け入れに関する諸事項を打ち合せて研究グループ交換プログラムの成果があがるように手配する。
  1. 関連ロータリークラブの協力を得て、5人〜7人の受け入れチームのホストファミリーを用意する。
  2. グループ内のクラブ例会に招待してクラブ会員とGSEチームメンバーの親睦を図る。
  3. GSEチームメンバーがクラブ例会に参加する時間に前後して、クラブの有志会員と意見交換会を持つなどして、国際理解を深める。
  4. 地区GSE委員会と協力して研修プログラムを作成し、その研修プログラムに従って職業研修及び文化研修ができるように手配を行なう。
  5. グループ内での研修に必要な交通手段とその経費を負担する。訪問先企業、団体及び公的機関との折衝、日程の調整など、グループ内各ロータリクラブの意向を打診して、偏らない研修計画に留意する。
  6. 受け入れチームメンバーは日本語を理解できない場合が多いので、クラブ例会訪問時や企業見学時にはクラブ会員、地区財団学友、地元ボランティア等よりなる通訳を用意する。
  7. 受け入れチームの歓送迎会は地元主催で実施するので、世話クラブではクラブ例会時の会食にとどめ、華美な歓送迎会にならないように注意する。
  8. グループ内ロータリークラブの例会訪問は日帰りが可能なようにスケジュールをたてる。
  9. できるだけ多くのクラブ例会を訪問することを奨励する。(1グループ当たり3例会程度を確保)
  10. 地区GSE委員会にそれぞれの世話クラブ担当の委員がいるので、必要とすれば受け入れ前に世話クラブを訪問し、GSEに関するプログラム作成の協議をおこなう。その相互理解のもとに世話クラブのクラブメンバーが協力して受け入れを行なう。
  11. 新千歳空港への出迎えは地区委員と共に最初の世話クラブが担当し、見送りはできる限り世話クラブが地区委員会と共に実施する。
  12. 移動のトラブル防止のために、受け入れチームメンバーの到着及び出発に関する報告を担当地区委員と前後の世話クラブへ必ず行なう。
  13. GSE行事報告書の作成に協力する。
    ※ 地区GSE委員会・コーディネーター・受け入れ世話クラブはグループのガバナー補佐と密に連絡を取り、グループ内でのGSEプログラムに対してガバナー補佐の協力を仰ぐ。

4. ホストファミリーに関する事項

4-1 基本的な事柄
  1. 受け入れチームの滞在中は原則として、ホストファミリーのホームステーによる。
  2. 世話クラブでは関連ロータリークラブの協力のもとで、ホストファミリー間の調整をはかる。
  3. 1ホストファミリーへの滞在期間は5日〜7日間を原則とする。(滞在期間が短いとチームメンバーにとってはあわただしく、ホストファミリーにとっても親善が深まらないことになる。)
  4. ホストファミリーはロータリアンのファミリーが好ましい。
  5. ホストファミリーは特に英語に堪能である必要はなく、国際理解と親善の推進というGSEプログラムの主旨を理解して頂ければ十分にホストファミリーの役割を担える。
  6. 受け入れチームメンバーは全て社会人として活躍している志のある人です。ホストファミリーとの友情は短期間に育まれることが多いので楽しい受け入れとなります。
4-2 ホストファミリーの役割

GSEの目的に「ロータリアンを具体的、実際的かつ有意義な国際奉仕プロジェクトに参加させるため」とあり、その参加の重要な役割の一つとしてホストファミリーを引き受ける。すなわちこのプログラムの成否の大きい部分を担っている。
  1. GSEチームのリーダーとメンバーに宿泊室(個室)と食事(基本的に3食)を提供する。個室は洋室、和室どちらでもよい。
  2. チームメンバーと善意の交友が基本となるが、おみやげ等の気配りについては不要。(おみやげは地区で用意します)
  3. 食事は豪華にする必要はありません。チームメンバーによってはダイエット、 信念上からの食事制限等があるかもしれません。食事の考え方を尊重しあうことが大切。
    例えば
    朝食:パン、コーヒー、果物かサラダ、オートミール、コーンフレークス一般家庭の日常生活上の朝食
    昼食:ホットドッグ、コーヒー
    夕食:一般的な家庭料理(チームメンバーとのコミュニケーションで決めても良い)
  4. チームメンバーにできるだけ自由時間を与える。
    (本人の意志を尊重することを原則とするが、チームメンバーをいろいろな所 に引っ張りまわさないことを望む)
  5. チームメンバーとのコミュニケーションを図りながら個人的友情を深める。
  6. チームメンバーの地区内滞在スケジュールを予めホストファミリーにお知らせするので、そのスケジュールに従って活動(送り迎え)する手助けをする。
  7. 日曜日は休息日になるように取りはからう。
    (メンバーは自国への手紙を書いたり、GSEレポートを書きとめたり、教会へ日曜礼拝に出かけたり地域を自由に散策する時間が必要です。)
  8. ホストファミリーの相談窓口は世話クラブの受け入れ責任者(コーディネーター)です。
  9. 新千歳空港への出迎え(最初のホストファミリー)、見送りの実施。
  10. GSE行事報告書への寄稿。

5. 費用の負担に関する事項

GSEチームの受け入れにかかる諸費用は、地区と世話クラブを含む各受け入れクラブで分担して負担することになる。その費用の負担については当面、原則として下表の様に区分する。
項 目 地区負担 クラブ負担
交通費 A.
グループ間移動の交通費
公共交通機関利用全額 な し
交通費 B..
受入れグループ内の交通費
な し 公共交通機関利用全額
地区主催歓送迎会、懇談会等の諸費用 GSEチームメンバーと地区関係者分の費用 クラブ関係者分の費用
職業研修に掛かる特別な諸費用
(入場料、参観料、協賛金他)
地区で義務付けた研修の場合は負担 原則として負担
チームメンバーへの記念品
及びお土産
負 担 な し
この行事に関わるロータリアンの諸費用(交通費、通信費、宿泊費等) 原則として負担しない 不 要
受入れグループ内の受入れ雑費 1世話クラブ当たり
80,000円
左記以外の負担
※世話クラブとそのグループ内の関連ロータリークラブの経費負担の分担については、世話クラブの考え方に従う方向とし、地区から特別に分担方法を提示しない。
※GSEチームメンバーは荷物を携えての移動になることが多いので、世話クラブや関連クラブのロータリアンの協力で、マイカー等を利用して移動するケースが多く見受けられる。この方が好ましいと考えている。
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